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秋の香り 金木犀

秋の香り 金木犀

秋の香りと金木犀 〜記憶を呼び覚ますオレンジの小花〜

はじめに

秋になると、街を歩いていてふと香りに足を止める瞬間があります。空気が少しひんやりして、夕方の風が心地よく頬をなでる頃、甘くやさしい香りが漂ってくる…。その正体こそ「金木犀(キンモクセイ)」です。
私にとって金木犀は、秋を知らせてくれる季節の便りのような存在であり、子どもの頃の記憶や家族との思い出を呼び覚ます大切な花でもあります。


金木犀とはどんな木?

金木犀はモクセイ科の常緑樹で、オレンジ色の小さな花を密集して咲かせます。原産は中国で、日本には江戸時代に渡来しました。庭木や街路樹として全国に植えられ、秋になるとその甘い香りで多くの人を魅了します。

特徴

  • 花期:9月下旬〜10月上旬

  • 花色:橙黄色(まれに銀木犀のような白色も)

  • 香り:甘く濃厚、どこか懐かしさを伴う香り

  • 高さ:庭木にすると2〜4mほどに成長

花は一つひとつがとても小さいですが、房状にびっしりと咲くため存在感があります。遠くからでもわかる香りは「香りの王様」と呼ばれるほどです。


香りがもたらす記憶

金木犀の香りには、人の心を揺さぶる不思議な力があります。
香りは脳の「扁桃体」と「海馬」に直結し、記憶や感情と強く結びついているため、一瞬で過去の情景を蘇らせるのです。

私自身も、金木犀の香りをかぐと、小学生の頃に友だちと下校途中で木の下に立ち止まったことや、祖母の庭に植えられた一本の木を思い出します。その香りに包まれると、「秋が来たんだなあ」と心が穏やかになるのです。


日本文化と金木犀

日本では古くから金木犀が生活に根ざしてきました。

  • お酒:「桂花陳酒」…中国発祥ですが、日本でも人気のある金木犀の花を漬けたリキュール。

  • 香り袋やお香:乾燥させた花を香料に使い、衣服や部屋を香らせる習慣。

  • 詩歌や文学:金木犀は秋の季語として、多くの俳句や詩に登場。

香りを楽しむ花はそう多くはありませんが、金木犀は日本人の感性と強く結びつき、暮らしの中で特別な役割を担ってきました。


金木犀の花言葉

金木犀の花言葉には次のようなものがあります。

  • 謙虚:小さな花を控えめに咲かせつつ、豊かな香りで存在を知らせる姿から。

  • 気高い人:秋の空気に溶けるような、澄んだ香りに由来。

  • 陶酔:甘い香りに心が酔いしれる様子から。

これらの花言葉は、贈り物や想いを伝えるときにもぴったりです。


庭木としての魅力

金木犀は比較的育てやすい樹木です。常緑なので一年を通して緑を楽しめ、秋には香りがご褒美のように訪れます。庭に一本あるだけで、季節を感じさせてくれる頼もしい存在です。
ただし香りが強いため、集合住宅や隣家に近い場所では植える場所に配慮が必要です。


花屋から見た金木犀

切り花としては流通が少ない金木犀ですが、その香りやイメージをアレンジメントに取り入れることはできます。オレンジや黄色の花を組み合わせて「金木犀を思わせる秋色ブーケ」を作ると、お客様も「あ、秋の香り!」と笑顔になるのです。
花そのものだけでなく、「香りや色で季節を伝える」という点で、金木犀は花屋にとって大切なインスピレーションの源となっています。


秋の暮らしと金木犀

秋は夏の暑さが落ち着き、心も身体も少し休まる季節です。そんなときに金木犀の香りを感じると、日々の忙しさを忘れ、深呼吸したくなります。
息子と一緒に散歩していても、香りに気づくのは子どもの方が早かったりします。「ママ、いい匂い!」と声をあげてくれると、私自身も季節の豊かさを改めて感じることができます。


未来へのつながり

最近では金木犀の香りを再現したアロマやフレグランス商品も数多く登場しています。生花がなくても香りを楽しめる工夫は、忙しい現代人にとって心の癒しとなっています。
けれども、やはり本物の金木犀に触れる体験は特別です。秋の一瞬の香りだからこそ、人の心に強く残り、毎年の楽しみになるのだと思います。


おわりに

金木犀の香りは、秋そのもの。過ぎゆく季節を感じさせ、懐かしい記憶を呼び覚まし、未来への希望さえ与えてくれます。
花屋として、母として、そして一人の女性として、この短い期間にしか出会えない香りを、これからも大切にしていきたいと感じています。


フラワーショップバンビーノ 店舗情報

フラワーショップバンビーノ
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