秋の生花のお手入れ方法 〜季節の移ろいを花とともに楽しむ〜
はじめに
夏の暑さが落ち着き、空気が澄んでくる秋は、生花を楽しむのにぴったりの季節です。
真夏はどうしても花の持ちが短く、すぐにしおれてしまいますが、秋は気温が安定していて比較的長く花を楽しむことができます。
とはいえ、気温差や乾燥、朝晩の冷え込みなど、秋ならではの注意点もあります。ここでは、花屋として日々感じている 「秋の花をより美しく長持ちさせるコツ」 をご紹介します。
秋に出回る代表的な花
秋は「実りの季節」らしく、深みのある色や実ものを取り入れた花が豊富に出回ります。
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リンドウ:青紫色が印象的。敬老の日の贈り物でも人気。
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コスモス:秋桜の名の通り、秋を象徴する花。繊細な花びらが魅力。
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ダリア:豪華で華やかな存在感。ブーケやアレンジに映えます。
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菊:和の雰囲気を持ちつつ、洋風アレンジでも活躍。
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ケイトウ:独特の質感と赤やオレンジの秋色が特徴。
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ワレモコウ・紅葉した枝もの:秋らしさを演出してくれる脇役たち。
こうした花たちを長く楽しむには、やはりお手入れが欠かせません。
基本のお手入れ 〜花を長持ちさせる5つのステップ〜
1. 茎を斜めに切る
花を生ける前に、必ず茎を新しく切りましょう。斜めにカットすることで切り口の表面積が広がり、水の吸収がスムーズになります。
2. 花瓶の水を清潔に
秋は夏ほど雑菌が繁殖しませんが、それでも水が汚れると花は傷みます。毎日水を替え、花瓶も軽く洗って清潔に保ちましょう。
3. 葉を水に浸けない
水に葉が入ると腐敗の原因になります。水に浸かりそうな下葉は取り除きましょう。
4. 花専用の延命剤を使う
市販の切り花延命剤を入れると、花に栄養を与えつつ水の濁りも防げます。花屋でもお渡しすることが多いアイテムです。
5. 置き場所に注意
直射日光やエアコンの風が直接当たる場所は避け、風通しのよい場所に飾りましょう。
秋ならではのお手入れのポイント
秋は日中と朝晩の温度差が大きく、花にとっては少しストレスになります。そのため次の点に注意しましょう。
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夜は涼しい場所に移動
日中はリビングに飾っていても、夜は玄関や廊下など涼しい場所に移すと持ちが良くなります。 -
乾燥対策
秋は空気が乾いているため、花びらやつぼみがしおれやすくなります。軽く霧吹きで水を与えると元気を保てます。 -
枝ものの管理
紅葉した枝や実ものは水を吸いにくいため、十字に切り込みを入れる「割り入れ」や、火で炙ってから生ける「焼き切り」をすると持ちがよくなります。
花の種類別ワンポイントケア
コスモス
茎が細く折れやすいため、浅めの水に生け、毎日水を替えることが大切。
ダリア
水をよく吸うので、たっぷりの水で管理。花びらが痛みやすいので、こまめに花びらを整えると長持ちします。
リンドウ
水揚げが難しい花なので、深水につけてから生けると良い。しっかり吸水させることがポイント。
菊
花持ちが良い優等生。ただし花粉が落ちるので、室内ではこまめに掃除が必要。
季節を楽しむ飾り方
秋の花は色彩が豊かで、飾り方に工夫をするとより季節感が引き立ちます。
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秋色の花瓶を使う:琥珀色や茶系の花瓶で落ち着いた雰囲気に。
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実ものや紅葉枝と合わせる:パンプキンやドライフラワーと一緒に飾るのもおすすめ。
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低めに活けてテーブルに:食卓に置けば、秋の食材と一緒に「秋の実り」を楽しめます。
花屋からのアドバイス
秋は花が長持ちする季節だからこそ、普段より少し大ぶりのアレンジメントや、枝ものを取り入れた豪華な飾り方に挑戦するのもおすすめです。
また、お客様からよく聞かれるのが「どの花を買ったら長く楽しめる?」という質問。そんなときは「秋の菊やリンドウ、ダリア」をおすすめしています。どれも存在感がありつつ、管理次第で1週間以上楽しめる頼もしい花たちです。
おわりに
秋の花は、移ろう季節を映し出すように表情豊かです。その美しさを長く楽しむためには、ほんの少しの工夫と心配りが欠かせません。
毎日の水替えや花がら摘みは、慌ただしい日常において「花と向き合うひととき」として、自分の心を整える時間にもなります。
秋の澄んだ空気の中、ぜひお気に入りの花とともに暮らしを彩ってみてください。
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