秋の夜長を彩る、深みと温もりの花束。
〜秋の洋花の魅力、長持ちさせるプロのお手入れ術、そして日常を豊かにする「定期便」のすすめ〜
皆様、こんにちは!京橋のフラワーショップ バンビーノです。
9月上旬、シャルム京橋の1階へと移転し、20坪へと拡大した新しい店舗での営業がスタートしてから、あっという間に時間が過ぎていきました。リニューアルオープン時には本当にたくさんのお客様、そして地域の皆様に足を運んでいただき、心より感謝申し上げます。広くなった店内では、私たちが愛してやまない花々がより一層のびのびと、そして美しくその姿を見せてくれています。
さて、10月に入り、京橋の街を吹き抜ける風にも、すっかり秋の気配が混じるようになりました。厳しい夏の暑さが和らぎ、涼しい風が心地よく感じられるこの季節。実は、私たちフローリストにとっても、そしてお花たちにとっても、一年で最も待ち遠しく、喜ばしい最高のシーズンの幕開けなのです。
今回のコラムでは、秋だからこそ楽しめる「洋花の奥深い魅力」、そしてお迎えしたお花を劇的に長く楽しむための「プロ直伝・花瓶のお手入れ術」、さらに、忙しい毎日の中に自然とお花を取り入れることができる「季節のお花の定期便」について、たっぷりと語り尽くしたいと思います。お気に入りの温かい飲み物でも片手に、ゆっくりと読み進めていただければ幸いです。
第1章:秋の主役たち。深まりゆく季節を表現する魅惑の洋花セレクション
春の柔らかなパステルカラーや、夏のエネルギッシュなビタミンカラーとは対照的に、秋のお花は「深み」「シック」「アンティーク」といった言葉が似合う、落ち着いた色合いが最大の特徴です。気温が下がることで花持ちが格段に良くなり、長く美しい姿を楽しめるようになる秋。バンビーノが得意とする「洋花」が、一年で最も「色気」を放つ季節だと言っても過言ではありません。
空間を支配する圧倒的な存在感「ダリア」
秋の花を語る上で、絶対に外せないのが「ダリア」です。幾重にも重なる緻密な花びら、見事なシンメトリーを描く造形美、そして手のひらよりも大きく咲き誇るその堂々たる姿は、まさに秋の女王と呼ぶにふさわしい風格を備えています。 ワインレッド、ボルドー、ディープパープル、そして夕焼けのような深いオレンジや、少し煤けたようなアンティークピンク。秋のダリアは、色がギュッと凝縮されたように濃く、一輪そこにあるだけでお部屋の空気を一変させる圧倒的な力を持っています。黒に近いダークレッドのダリアなどは、アンティーク調の家具や、秋の夜長の少し落とした間接照明の灯りと驚くほど相性が良く、極上の大人の空間を演出してくれます。
香りと色の深みに酔いしれる、極上の「秋バラ」
バラといえば春のイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、「秋バラ」には春とは全く違った特別な魅力が秘められています。 気温が少しずつ下がる秋は、つぼみが膨らんでから開花するまでのスピードが、春に比べてとてもゆっくりになります。この「ゆっくり咲く」というプロセスが魔法をかけます。じっくりと時間をかけて咲く分、花びらの中に色素や香りの成分がたっぷりと蓄積されるのです。そのため、秋のバラは春よりも色が一段と濃く、鮮やかに発色し、香りもより芳醇で深く、濃厚に感じられます。 少し退色したようなミルクティー色のニュアンスカラーのバラや、スモーキーなピンク、あるいはビロードのような質感を持つ真紅のバラ。これらを選ぶと、ぐっと秋らしいシックなアレンジメントに仕上がります。
触覚で楽しむ秋。ふわふわ、もこもこのアクセント
メインの洋花を引き立てる名脇役として、秋は「質感」に特徴のある植物が豊富に出回ります。例えば、ベルベットのような滑らかな手触りのケイトウ、風に揺れる穂が美しいパンパスグラス、そして秋の野山を思わせるワレモコウや様々な実物(みもの)たち。これらをダリアやバラといった華やかな洋花と組み合わせることで、視覚だけでなく触覚でも秋の深まりを感じられる、立体的で温かみのあるブーケが完成します。
第2章:お花をより長く、美しく保つ。フローリストが教える「秋のお手入れ術」
せっかくお迎えした美しい秋の花々。少しでも長く、その命の輝きを楽しんでいただくための、秋ならではのケア方法を詳しく解説いたします。お花を長持ちさせる秘訣は、決して難しいことではありません。「清潔」と「ほんの少しの手間」が、お花の寿命を劇的に伸ばします。
① 花瓶と水は「徹底的に清潔」に保つ
気温が下がってきたとはいえ、花瓶の中はバクテリア(細菌)にとって絶好の繁殖場所になり得ます。お花が枯れてしまう一番の原因は、寿命ではなく「茎の切り口で繁殖したバクテリアが導管(水の通り道)を塞いでしまい、水を吸えなくなること」なのです。 これを防ぐためには、水替えのたびに花瓶を中性洗剤とスポンジでしっかりと洗うことが重要です。人間の食器を洗うのと同じ感覚で、花瓶の内側のヌメリを綺麗に落としてください。透明なガラスベースであれば、汚れも一目でわかります。
② お水の量は「少なめ」が秋の基本
お花の種類にもよりますが、ダリアやカラーなど、茎が柔らかく水分を多く含むお花(球根植物など)は、お水に深く浸かりすぎると、浸かっている部分の茎からドロドロに傷んで腐ってしまいます。これを防ぐため、花瓶に入れるお水は「底から3〜5cm程度」の少なめ(浅水)にするのが長持ちのコツです。ただし、お水が少ない分、乾燥しやすい季節は水切れに注意し、こまめに水位をチェックしてあげてください。 逆に、バラなどの枝物に近い硬い茎を持つお花は、たっぷりのお水(深水)を好みます。お花の種類によって水量を調整できるようになると、お花の手入れが一段と楽しくなりますよ。
③ 魔法のひと手間「切り戻し」と「水切り」
お水を替える際、必ず行っていただきたいのが「切り戻し」です。茎の根元をハサミで1〜2cmほどカットし、常に新しい断面を作ってあげます。これにより、バクテリアに塞がれかけた導管が新しくなり、お花がお水を吸い上げる力がグンと復活します。 この時、茎に対して「斜めに」カットするのがポイントです。斜めに切ることで断面の表面積が広くなり、より効率よくお水を吸い上げることができます。 さらに、ボウルなどに水を張り、その水の中で茎をカットする「水切り」を行うと、導管の中に空気が入るのを防ぎ、水圧でスムーズに水を吸い上げさせることができます。少し元気がないな、と思ったお花にはぜひ試してみてください。
④ 飾る場所の黄金ルール
お花は、私たちが思っている以上に環境の変化に敏感です。急激な温度変化や乾燥は、お花にとって大きなストレスとなります。 これから暖房器具を使い始める季節になりますが、エアコンやヒーターの風が直接当たる場所は、お花の水分を一気に奪い、乾燥させてしまうため絶対に避けてください。また、直射日光の当たる窓辺も、水温が上がってバクテリアが繁殖しやすくなるため不向きです。 「直射日光が当たらない、風通しが良く、なるべく涼しい場所」がお花にとってのベストポジション。玄関や寝室、あるいは直射風の当たらないリビングのテーブルなどがおすすめです。

第3章:日常に花が寄り添う贅沢。バンビーノ「季節のお花の定期便」
「お花のある暮らしには憧れるけれど、お花屋さんに行くと種類が多すぎてどんな花を選べばいいかわからない」「毎日が忙しくて、定期的にお店に買いに行く時間が作れない」……店頭で、そんなお客様のお声をよく耳にしていました。
そんな皆様の日常に、もっと気軽にお花を取り入れていただきたい。その想いから、シャルム京橋への移転を機に、9月よりオンラインショップにて新たに「季節のお花の定期便」のサービスをスタートいたしました。
「何が届くか」というワクワク感
バンビーノの「季節のお花の定期便」は、その時々の市場で一番美しく、最も季節感あふれる旬の洋花を私たちが厳選し、ご自宅のポスト(または宅配便)へと定期的にお届けするサービスです。 お花選びのプロである私たちが、今回ご紹介した秋のダリアや深みのあるアンティークローズを中心に、季節の移ろいを肌で感じられるような組み合わせを考えてパッキングいたします。箱を開けた瞬間にフワッと広がる季節の香りと、瑞々しい花々の色彩。毎月「今月はどんなお花が届くかな?」と心待ちにするそのワクワク感こそが、定期便の最大の魅力です。
暮らしのリズムを整える、花の力
お花が定期的に届くようになると、自然とご自宅に花を飾る習慣が身につきます。先ほどご紹介した「お手入れ術」を実践しながら、花瓶を洗い、茎を切り、丁寧に生ける。そのほんの5分、10分の時間が、忙しい日常の中でふっと息を抜く、マインドフルネスのような癒やしの時間へと変わっていきます。 ダイニングテーブルの真ん中に一輪の花があるだけで、朝のコーヒーが美味しく感じられたり、夜の晩酌が少しだけ特別なものに思えたりするものです。
ご自宅用としてはもちろん、離れて暮らす親御さんや、大切なご友人への「毎月のささやかな贈り物」としても大変ご好評をいただいております。どんな花瓶にも飾りやすい丈とボリュームで調整してお届けしますので、お花初心者の方にも安心してスタートしていただけます。

おわりに:秋の夜長、花とともに過ごす時間
いかがでしたでしょうか。 秋の洋花の奥深い魅力、プロのお手入れ方法、そして暮らしを豊かにする定期便のサービス。お花のある生活の素晴らしさが、少しでも皆様に伝わっていれば嬉しいです。
秋の夜長、好きな音楽を静かに流し、少し暗めの部屋で間接照明を灯す。そして、美しく咲き誇るダリアやバラをただぼんやりと眺める。そんな何気ない、けれどとても贅沢な時間が、毎日の疲れを優しく解きほぐしてくれるはずです。
オンラインショップでは、「季節のお花の定期便」をはじめ、秋らしい色合いのブーケや、皆様の「推し」や特別なイメージに合わせてお作りする「キャラクターアレンジメント」など、様々なアイテムをご用意しております。
最後にお願いがございます。 細かいご要望やフルオーダーメイドのご相談、店頭受け取りのご予約など、オーダーに関するお問い合わせは、InstagramのDMではなく、必ず公式LINEからご連絡をお願いいたします。DMですと通知が埋もれてしまいご対応が遅れてしまう場合がございますため、確実でスムーズなやり取りができるLINEのご活用にご協力をお願いいたします。
新しいシャルム京橋の店舗でも、そしてオンラインショップや定期便を通じても。 バンビーノはこれからも、美しい洋花たちとともに、皆様の日常に「少しの非日常」と「たくさんの笑顔」をお届けしてまいります。
フラワーショップ バンビーノ 代表・フローリスト 坂東純希