秋の七草とは
秋の七草は以下の七種類です。
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萩(はぎ)
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尾花(おばな/ススキ)
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葛(くず)
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撫子(なでしこ)
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女郎花(おみなえし)
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藤袴(ふじばかま)
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桔梗(ききょう)
これらの草花は「秋の代表的な草花」として選ばれました。春の七草が「食養生」と結びつくのに対し、秋の七草は「美しさ」を愛でるもの。季節の移ろいを詩や歌に託し、秋の訪れを感じる役割を果たしてきました。
各草花の特徴と魅力
1. 萩(はぎ)
秋の七草の筆頭ともいえる萩は、マメ科の植物で、秋の初めに小さな紅紫色や白の花を咲かせます。細やかな花が風に揺れる姿は、万葉集でも数多く詠まれました。
花言葉:「想い」「柔軟な心」
萩はお月見の際に供えられることも多く、しなやかで儚い姿が、秋の訪れをやさしく告げてくれます。
2. 尾花(ススキ)
「尾花」とは、現在でいうススキのこと。穂が動物の尾のように見えることから名づけられました。十五夜の月見に欠かせない植物で、魔除けや豊穣祈願の意味を込めて飾られてきました。
花言葉:「活力」「生命力」
黄金色に揺れるススキの穂は、秋の野原を象徴する風景そのものです。
3. 葛(くず)
強い生命力をもつツル性植物で、紫色の花を咲かせます。根からとれるデンプンは「葛粉」となり、葛餅や葛湯など和菓子や薬用として利用されてきました。
花言葉:「治癒」「芯の強さ」
鑑賞としての美しさだけでなく、実用性を兼ね備えた秋草です。
4. 撫子(なでしこ)
可憐で愛らしいピンクや白の花を咲かせる撫子は、「大和撫子」という言葉でも有名です。日本女性の美徳を象徴する花として古くから親しまれてきました。
花言葉:「純愛」「可憐」
秋風に揺れる姿が、しとやかな女性の姿に重ねられたのでしょう。
5. 女郎花(おみなえし)
鮮やかな黄色い小花を房のように咲かせる女郎花は、華やかでありながらも繊細さを感じさせます。名前の「おみな」は女性、「えし」は「圧す」に由来し、女性の美しさを圧倒するほどの花とされています。
花言葉:「親切」「美人」
その華やかさと儚さは、平安時代の和歌にも多く登場しました。
6. 藤袴(ふじばかま)
淡い紫色の小花を咲かせ、ほのかな芳香を放つ藤袴は、古代から香草として衣服に香りを移すのに使われてきました。
花言葉:「ためらい」「遅れ」
控えめで奥ゆかしい姿は、日本人の美意識にぴったり重なります。
7. 桔梗(ききょう)
星形の青紫色の花が印象的な桔梗は、古くから武士の家紋にも使われてきました。秋の青空に映える姿は凛とした美しさを放ちます。
花言葉:「永遠の愛」「誠実」
その気高さは、秋の七草の中でもひときわ強い存在感を示しています。
秋の七草と日本文化
秋の七草は「観賞」が目的であり、日常の暮らしや年中行事の中で大切にされてきました。
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和歌や俳句:万葉集をはじめとする古典文学では、秋草は四季の移ろいを詠む題材として欠かせません。
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お月見との結びつき:特にススキや萩は、十五夜の供え物として重要な役割を担ってきました。
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薬用・生活利用:葛や藤袴は薬用・香料としても利用され、人々の生活に密接していました。
秋の七草は「目で楽しむ草花」であり、華やかさよりも「侘び寂び」や「風情」を大切にする日本人の感性を映し出しています。
現代における楽しみ方
現代の暮らしでは、秋の七草を庭や寄せ植え、切り花で楽しむことができます。特にフラワーショップでは、ススキや桔梗を取り入れた秋らしいアレンジメントが人気です。
また、インテリアとしてドライフラワーに加工することで、長く楽しむことも可能です。
さらに、子どもたちに七草を伝える教育的な役割も果たします。「春の七草」と並べて紹介することで、四季の移ろいを自然と学ぶきっかけになるでしょう。
おわりに
秋の七草は、古来より日本人が大切にしてきた「季節の美」を象徴する草花です。華美ではないけれども、しみじみと心に染みるその姿は、秋の静けさや物思いの季節にぴったり寄り添います。ぜひ、秋の暮らしに七草を取り入れ、季節をより深く味わってみてください。
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