お盆の風物詩「鬼灯(ほおずき)」の意味とは?
夏になると、お花屋さんやお盆飾りで見かける鮮やかなオレンジ色の「鬼灯(ほおずき)」。
ぷっくりと膨らんだ姿がかわいらしく、夏らしい植物として知っている方も多いのではないでしょうか。
でも実は、鬼灯はただの夏の風物詩ではありません。
特に「お盆」とは、とても深いつながりがあります。
なぜお盆になると鬼灯を飾るのでしょうか?
今回は、鬼灯に込められた意味やお盆との関係、飾り方などについてご紹介します。
■ 鬼灯(ほおずき)ってどんな植物?
鬼灯は、ナス科ホオズキ属の植物です。
初夏から夏にかけて小さな花を咲かせ、その後、実を包むように袋状の萼(がく)が大きくなっていきます。
最初は緑色ですが、成熟すると鮮やかなオレンジ色や赤色へ。
私たちが「ほおずき」と聞いて思い浮かべる、あの特徴的な姿になります。
ちなみに、漢字では「鬼灯」と書きます。
まるで小さな提灯のように見える姿から、昔から夏の季節感を感じさせてくれる植物として親しまれてきました。

■ なぜお盆に鬼灯を飾るの?
お盆は、ご先祖さまの霊を自宅へお迎えし、供養したあと再び送り出す、日本の大切な行事です。
そして鬼灯がお盆に飾られる大きな理由のひとつが、
「ご先祖さまを導く灯り」
と考えられてきたからです。
鮮やかなオレンジ色で、ぷっくりと膨らんだ鬼灯。
よく見ると、小さな提灯のように見えませんか?
昔から鬼灯は、その姿を「提灯」に見立て、ご先祖さまが迷わず家へ帰ってこられるように導く灯りとして飾られてきたといわれています。
今のように街中にたくさんの明かりがなかった時代。
暗い道を照らす提灯は、とても大切な存在でした。
そんな提灯のような鬼灯を飾り、
「ここですよ」
「今年も帰ってきてくださいね」
と、ご先祖さまを迎える目印にしたのです。
そう考えると、鬼灯を見る目が少し変わりますよね。
ただかわいい夏の植物ではなく、大切な人を迎えるための「心の灯り」なのです。
■ 鬼灯は「迎え火」にも似ている
お盆には「迎え火」という風習があります。
地域によって方法は異なりますが、お盆の始まりに火を焚き、ご先祖さまの霊が迷わず帰ってこられるよう目印にするものです。
そしてお盆の終わりには「送り火」を焚き、ご先祖さまを送り出します。
鬼灯もまた、赤やオレンジ色に染まった姿が炎や灯火を思わせることから、ご先祖さまを導く存在としてお盆飾りに使われてきました。
迎え火と鬼灯。
形は違っていても、
「大切な人が迷わないように」
という想いは同じなのかもしれません。

■ 鬼灯はご先祖さまの「居場所」ともいわれています
鬼灯には、もうひとつ興味深い意味があります。
それが、
ご先祖さまの霊が宿る場所
という考え方です。
鬼灯の中は空洞になっていて、その中に丸い実が入っています。
この袋状の部分を、ご先祖さまが一時的に身を宿す場所に見立てたともいわれています。
もちろん、お盆の風習や考え方は地域や宗派によって異なります。
しかし鬼灯には昔から、
「迎える」
「導く」
「宿る」
といった、ご先祖さまとのつながりを感じさせる意味が込められてきたのです。
■ 「鬼灯」という漢字、ちょっと怖くない?
「ほおずき」と聞くとかわいらしい植物なのに、漢字にすると「鬼灯」。
初めて見ると、
「なんで鬼なん?」
と思いますよね。
鬼灯には「酸漿」という漢字が使われることもあります。
「鬼灯」という表記の由来には諸説ありますが、赤く色づいた実の姿を灯りに見立てたことなどが関係しているとされています。
ちなみに「ほおずき」という名前の由来についても複数の説があり、昔、実を鳴らして遊ぶ際に頬を膨らませた姿から名付けられたという説などがあります。
名前ひとつとっても、昔の人々の暮らしや遊びが感じられる植物です。
■ 昔は鬼灯で遊んでいた?
今ではお盆飾りや観賞用として見ることの多い鬼灯ですが、昔は子どもたちの遊びにも使われていました。
鬼灯の実を揉んで中身を取り出し、皮だけの状態にして口の中で音を鳴らす「ほおずき鳴らし」です。
今のようにゲームやスマートフォンがなかった時代。
自然の中にある植物や木の実がおもちゃになることも珍しくありませんでした。
おじいちゃん、おばあちゃん世代の方なら、
「昔やったことある!」
という方もいらっしゃるかもしれません。
お盆に鬼灯を飾りながら、そんな昔の話を家族でしてみるのも素敵ですね。
※観賞用として販売されている鬼灯は、口に入れたり食べたりしないようにしてください。
■ 鬼灯の花言葉は?
鬼灯には、
「自然美」
「心の平安」
などの花言葉があります。
一方で、実の中が空洞になっていることなどに由来して、少し違った意味の花言葉が紹介されることもあります。
花言葉には国や資料によってさまざまな解釈があるため、ひとつの意味だけにこだわる必要はありません。
お盆に飾る鬼灯の場合は、花言葉以上に、
「大切な人を迎える灯り」
という昔からの意味を大切にしてみるのもいいでしょう。
■ お盆のお花と一緒に飾る鬼灯
鬼灯は、そのまま飾るだけでも十分存在感がありますが、お盆のお供え花と合わせるとより季節感のある雰囲気になります。
例えば、
白い菊やピンポンマム。
トルコキキョウ。
リンドウ。
カーネーション。
グリーン。
そこへオレンジ色の鬼灯を少し加えるだけで、一気に夏のお盆らしい印象になります。
白やグリーンを中心とした落ち着いたお供え花の中に、鬼灯のオレンジ色が入ると、とても温かみのある雰囲気になります。
「供花だから暗い雰囲気にしないといけない」
というわけではありません。
故人が明るい色を好きだったなら、その人らしい色を取り入れるのもひとつの方法です。
大切なのは、
「どんなお花だったら喜んでくれるかな?」
と、その人を思いながら選ぶことではないでしょうか。
■ 鬼灯はドライになっても美しい
鬼灯の面白いところは、時間が経ってからも楽しめること。
乾燥させることで、ドライフラワーとして飾ることもできます。
さらに時間が経つと、外側の袋状の部分が葉脈だけになり、網目状の美しい姿になることもあります。
中の丸い実が透けて見える姿はとても繊細で、まるで小さなランタンのよう。
生花とはまた違った魅力があります。
季節のインテリアとして飾ったり、ドライフラワーと合わせたりするのもおすすめです。

■ お盆の風習は地域によって違います
お盆というと「8月13日〜16日頃」を思い浮かべる方が多いですが、実は地域によって時期が異なります。
7月にお盆を行う地域もあれば、8月に行う地域もあります。
また、鬼灯の飾り方やお供えするお花、迎え火・送り火などの風習も地域や宗派、ご家庭によってさまざまです。
そのため、
「絶対にこの飾り方でなければならない」
というよりも、それぞれの地域やご家庭で受け継がれてきた方法を大切にするのが一番です。
わからない場合は、ご家族やお寺などに確認してみるのもいいでしょう。
■ 鬼灯を見ると、大切な人を思い出す
お盆の時期になると花屋に並ぶ鬼灯。
毎年見ていると、
「もうそんな季節なんやな」
と感じます。
季節のお花や植物には、不思議な力があります。
桜を見ると春を思い出し、
ひまわりを見ると夏を感じ、
金木犀の香りがすると秋を思い出す。
そして鬼灯を見ると、お盆や家族、ご先祖さまを思い出す。
植物そのものが、私たちの記憶と結びついているんですね。
■ 「帰っておいで」の気持ちを込めて
鬼灯は、決して派手なお花ではありません。
でも、小さな提灯のような姿には、昔から大切な意味が込められてきました。
「迷わず帰ってきてね」
「今年も待ってるよ」
「みんな元気にしてるよ」
そんな言葉にならない気持ちを、そっと灯してくれる植物。
それがお盆の鬼灯なのかもしれません。
お盆は、ご先祖さまを供養すると同時に、家族や大切な人とのつながりを改めて感じる時間でもあります。
今年のお盆は、お花と一緒に鬼灯を飾ってみませんか?
鮮やかなオレンジ色の小さな灯りが、離れている大切な人と、今を生きる私たちの心をそっとつないでくれるかもしれません。
フラワーショップバンビーノでは、お盆のお供え花やアレンジメントなど、ご用途やご希望に合わせてお作りしています。
「どんなお花を選んだらいいかわからない」
「明るい雰囲気のお供え花にしたい」
「故人が好きだった色を入れたい」
そんなご希望も、お気軽にご相談ください。
大切な人への「ありがとう」を、お花に込めて。
今年のお盆も、皆さまにとって心温まる時間になりますように。
フラワーショップバンビーノ
営業時間:10:00〜19:00
定休日:火曜日・日曜日